特集1 うみやま湖山の国、近江(おうみ)―手仕事と暮し
琵琶湖を抱え、周囲に山並みの連なる国、近江。京、奈良を間近にし、古くから人や文物の往来が絶えなかった地は文化の層厚く、歳月に磨かれた手仕事が独自の光を宿す。編集者は、二百三十キロ余の湖の周縁を、北に南に駆け回り、時には山間にも分け入って、人を、物を、祭りを、暮しを採集した。全九十ページ、四部で構成する。その1「ものつくり人国記」陶芸、藍染め、鍛鉄、木工、筆と硯、紙。様々な分野で現在を刻む作家たちの仕事。その2「湖の幸」伝統の漁と食物。その3「糸、巡礼」絹糸に賭ける一途な思いと、卓越の技。その4「春が来た―オコナイ・餅と花の祭り」など。/湖に向かって歌うように揺らぐように。石倉康夫の鍛鉄のオブジェ。/「どうだ!」と言わんばかり。澤清嗣のやきものの土瓶形花入れ。
特集2 花嫁のれん麗し―北陸地方の伝承
昨春、能登半島のつけ根、七尾市の大祭「青柏祭」を訪れた人々は、一本杉通りを彩ったのれんの数々に、驚きと羨望のまなざしを寄せた。小さな商店街に、50枚を超える“花嫁のれん”と呼ばれる美しい加賀友禅が飾られ、祭りを大いに盛り上げたのだった。嫁いだ日の華やぎをとどめ、各家の変遷を見つめながら、蔵に、箪笥の隅に眠っていた美麗な布。その美風は、かつての加賀藩に属する越中、加賀、口能登地方に今もひそやかに伝え継がれていた。