特集1 信州─水路を行く
日本が誇るアルプスの峰々が鋭く、気高くそびえる。頂は未だ白銀色。目前の水勢著しい細流は、あの岩尾根に降りた天水の一滴が源という。山肌を濡らした流れはいつか川となり、風土を養い、人の暮しを育む。梓川、犀川の流域松本平で美しい伝統「松本の七夕雛」と出会い、千曲川流域の善光寺平では、「松代、三百歳の蔵物語」を聞き、伊那谷では念願の「下栗蕎麦」を食す。「木の匠」の洗練の技、「いわさきちひろの信州」のナイーブな絵にも心を揺らした信濃探訪。/紙雛、ほうとう、切り昆布と野菜の煮物、漬物…山崎治雄家の七夕/引き算に引き算を重ね、すっきり見えるようにするのが高橋悟さんの木工の仕事だ。/雨水を集め発した原始の梓川は谷を穿ち、草香を溶かし、名勝上高地を拓いた。
特集2 糸が躍る、繍(ぬい)の力─鹿児島/菖蒲学園のヌイ・プロジェクト
シャツを手渡されると、彼らは一心に針を動かし、得意のステッチを刺して飽きることがない。絡み、もつれ、踊り跳ねる針目。奔放自在な造形と色彩で新たな表情を得たシャツは、見る者の心を強くゆさぶる存在感がある。鹿児島の知的障害者施設「菖蒲学園」の「ヌイ・プロジェクト」
紅衣仙人、月に遊ぶ─戸田勝久の絵筆
神戸に暮らす画家・戸田勝久さんは、兎や犬を連れ、白雲に乗る様々な仙人を描く。